top of page
04
THE RESTORY online
number:
&
UNIQUE
OTHERS
HOME ▶ RESTORATION repair ▶ Unique & Others ▶ 和製本棚 アンティークブックケースメンテナンス

〈JAPANESE ANTIQUE Book Case MAINTENANCE WORK〉
和製本棚古家具 アンティークブックケースのメンテナンス
3 min
今回ご紹介するのは大正時代につくられた和製ブックケース。
親子三代に渡って受け継がれ歴史と思いが宿 った愛すべき家具の姿です。
大切に扱われ定期的にお手入れをされていましたが、経年劣化で塗装は色あせ所々にダメージが見受けられます。特に台風時に浸水した際に家具の下部が水に侵され木材自体の状態が深刻でした。
THE RESTORY web
人気の記事10選



全体の表面は経年劣化で油質がなくなり、カサついています。
天板の化粧板のめくれや、本の重みで歪んでしまった棚板、その影響 で両開きのガラス扉の立て付けも悪くなっていましたので、全体の手入れの前に扉やガラスを取り外しパーツごとに手入れ、調節していきます。


――BEFORE この時代の日本家具は西洋の家具デザインを日本独自の伝統や文化に合わせ変化させた「素朴な味わい」が感じられます。格子状のガラスはひとつひとつ手作りでつくられ、そのハメ込み技術は日本独自の発想です。
扉を外してハメ込まれているガラスを慎重に取り外します。この家具の為だけに製作された世界にひとつ、唯一無二のオリジナルです。
万が一が許されない緊張の12枚。
木部ならいくらでも修正できますが、ガラスは無理です。
割れてしまえば二度ともとには戻りません。
明治後期から大正初期にかけてガラス産業が飛躍し、この時代から板ガラスの商品化が国内で可能となりました。
大正時代後半になると、原材料の向上や新しい消色剤の登場で、無色透明なガラスを作ることができるようになったと言われています。


解体したパーツの表面の汚れを落とし、オイルステインで全体の色あせを調整しながら天然ニスで失われた塗膜を再生します。
古家具がもつ時代を醸し出す雰囲気をそこなうことなく 艶を調整し、最後は蜜蝋ワックスで仕上げます。
最もダメージが深刻だった下部の様子です。左が施工前、右がメンテナンス後です。ご覧の様に色艶が蘇り、材の木目がはっきりとわかるようになりました。
――AFTER
